大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)2538 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人江波戸文夫の上告趣意(後記)について。

論旨前段は、単なる訴訟法の違反を主張するものであつて刑訴四〇五条の上告理

由に当らない。のみならず所論の金員は、原判決の説示するように被告人を含めた

旧a区総代五名の共有物であり被告人の単独所有に属しなかつたに拘らず被告人に

おいて着服横領した趣旨が起訴状及び第一審判決記載の事実から窺われるので右判

決を是認した原判決には所論のような訴訟法の違反も認められない。論旨後段は、

刑訴四〇五条三号末段の判例違反を主張するのであるが、原判決は第一審判決記載

の横領罪の事実摘示に理由不備のないことを説示したに止り、訴因の変更に関して

は一言も触れていないのである。しかるに論旨引用の判例は、横領罪に関する訴因

変更につき判示したに過ぎないものであるから、原判決は所論判例に反する判断を

少しも示していないのである。それ故、論旨は全く理由がない。なお、記録を調べ

ても刑訴四一一条を適用すべき事由も認められない。

よつて刑訴四〇八条一八一条に従い、裁判官全員の一致した意見で主文のとおり

判決する。

昭和二八年一〇月六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

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裁判官 本 村 善 太 郎

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